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専任技術者とは

簡単に言うと「技術のプロ」です。

建設業の許可で役所に「技術のプロ」と認められるには、

 

 

  • ①現在、事業所に常に通っているか (現在の常勤性の証明)
  • ②過去に工事の監督・施工・管理として働いていた年数が3・5・10年以上か、これから許可を受ける業種に関係する国家資格をもっているか (技術経験の年数の証明)
  • ③過去に働いていた事業所が建設工事をしていたかどうか (過去に建設工事に従事していたことを証明)

 

 

という上記①~③の「三本の矢」を役所に説明して、役所が納得するような資料を提出しなければなりません

 

そして役所が「これだけ資料が揃っていて、内容も問題なければ技術のプロとして認めてあげよう!」という風になれば、「専任技術者」として信用してくれます。

 

難しく考える必要はありませんね。

次に①~③をそれぞれどのような書類で役所に説明していくのか説明します。

 

 

専任技術者になれる人はだーれ?

 

先ほど説明した

 

  • ①現在、事業所に常に通っているか (現在の常勤性の証明)
  • ②過去に工事の監督・施工・管理として働いていた年数が3・5・10年以上か、これから許可を受ける業種に関係する国家資格をもっているか (技術経験の年数の証明)
  • ③過去に働いていた事業所が建設工事をしていたかどうか (過去に建設工事に従事していたことを証明)

 

とは具体的にどういう意味なのか わかりやすく、くわしく説明します。

 

①現在、事業所に常に通っているか (現在の常勤性の証明)の意味ってなーに?

 

技術のプロである「専任技術者」は事業所で工事の指揮を執らなくてはならないため「常勤」であることが必要です。

ここで注意しなければならないのは「常勤」であるかどうかは私達の一般的な解釈で判断してはいけません。

そうです「役所」が指定する要件をクリアしているかどうかで「常勤」と認められるか、認められないか が決まってしまうわけですね。

では次に役所が指定する「常勤」の要件とは何なのか?を説明していきます。

 

①現在、事業所に常に通っているか (現在の常勤性の証明)の要件ってなーに?

(1)自宅と勤務先の距離の要件

 

皆様は普段、電車や車を使って通勤するか、自宅兼事務所でお仕事をされていると思います。

役所に対して毎日のように出勤している「常勤」を証明するためには、車や電車の場合通勤時間が「2時間以内」の距離であれば認めてもらえます

 

例外として通勤時間が2時間以上かかる場合でも、

 

  • ア 「定期券」
  • イ 「ETC記録」

 

を提出することで、役所が認めてくれる可能性が高いので安心して下さい。

また、とても遠い場所から引っ越してきた方で、現在住んでいる場所と住民票上の住所が違うときは注意してくださいね。

役所は本当はどこに住んでいるのか疑ってきます。

ですから現在の住所が住民票上の住所と違う場合は、

 

  • ア 「登記簿謄本」
  • イ 「賃貸借契約書」
  • ウ 「公共料金の領収書」

 

などの資料の提出で現在の住所を証明できます。

自宅兼事務所をお考えの方も住民票上の住所はしっかりと確認するようにしましょう。

 

(2)現在常勤として事業所に在籍しているのか要件

上記(1)で家から勤務先まで2時間以内であることは証明できたとします。

役所は次に通勤先の事業所に行って本当に毎日のように仕事をしているの?と疑ってきます。

いわゆる「名義貸し」を防止するために役所は目を光らせているんですね。

さて、これを証明する方法はたくさんありますが、いずれか1つでも提出できればクリアですので、以下に証明材料を記載していきます。

 

  • ア 健康保険被保険者証の写し(社会健康保険証・国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証)

※注意点 事業所名の記載がないと働いていることの証明にはなりません。記載がない場合は他の資料で証明しましょう。

  • イ 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し
  • ウ 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
  • エ 住民税特別徴収税額通知書
  • オ 普通徴収から特別徴収への切替依頼書給与支払報告書
  • カ 厚生年金加入期間証明書
  • キ 健康保険組合からの資格証明書
  • ク ねんきん特別便又はねんきん定期便
  • ケ 被保険者記録照会回答表
  • コ 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
  • サ 確定申告書     (税務署受領印付き)
    ※注意点 直近の決算時に個人事業主や取締役等の役員として氏名が確定申告書に記載されていることが必要です。

そして、副業をしていないことを証明するために、「第一表の収入金額等が「営業等」で        あること」と「給与収入の欄に金額が記載されていないこと」が必要です。

  • シ 出勤表・給与台帳・工事台帳・日報等

※注意点 これ(シ)は最終手段です。役所との念入りな交渉が必要です。

 

(3)現在、他社に在籍していない要件

常勤であるためには、これから建設業の許可を受けて働く予定の営業勤務先に専念している必要がありますね。

ですから他社の「取締役などの役員」だったり「宅地建物取引士」や「建築士」として登録している場合は、他社の非常勤であることを他社に証明してもらうか、登録された資格であれば登録を変更する必要があります。

特に建設業に関する「国家資格」を他社で既に登録していないか、「専任技術者」として既に他社で登録していないか細心の注意をはらいましょう。

 

過去の技術経験の年数の証明

これまで今「現在」の勤務についての証明材料を説明してきましたが、次は「過去」の証明となります。

専任技術者になろうとする人が過去に

3・5・10年以上

 

工事の監督・施工・管理として働いていたか、

これから許可を受ける業種に関係する「国家資格」をもっているか

 

 

を証明します。

 

さて疑問に思われた方が多いと思いますが「「3・5・10年以上実務経験」とは学歴によって必要な経験年数が異なるため分かりにくい表現になっています。

  1. 大学や短大、専門学校(専門士・高度専門士)の指定学科を卒業した場合、3年の実務経験で専任技術者として認められます。
  2. 高等学校の指定学科を卒業した場合、5年の実務経験で専任技術者として認められます。
  3. 国家資格による証明の場合基本的に実務経験が必要ありませんが、実務経験を1年程度必要とする資格があるので事前に確認しておきましょう。

1~3のどれにも該当しない場合は10年の実務経験の証明が必要です。

 

 

非常に重要な点ですのでよく覚えておきましょう。

 

 

以上、ごちゃごちゃしていますが一つ一つ冷静に読んでいけば必ず理解できると思いますのでさらに次のステップへ進みましょう。

 

過去に建設関係の業務を営んでいたことの証明

「3・5・10年」以上勤めていたとしても、その勤めていた事業所が建設関係の業務を行っていなければ技術経験期間を認めてもらえません。

従って過去の技術経験が建設工事を請け負っている事業所であったという証明をしていく必要があるわけです。

 

過去に在籍していた事業所が建設業の許可を得ていた場合

 

  1. 建設業許可通知書
  2. 建設業許可申請書副本
  3. 決算変更届副本5年分

 

1~3いずれか1つ必要となります。

例外として過去に在籍していた事業所が東京都の建設業許可業者だった場合、東京都に申請する人は、なんと上記の書類の提出を省略することが出来ます

 

他にも東京都で許可を受ける時、建設業許可に必要不可欠な要件の「経営業務管理責任者」でもメリットを受けることが出来ますのでどうぞ最後まで読んで下さい。

 

過去に在籍していた事業所が建設業の許可を得ていなかった場合

500万円以下の軽微な建設工事のみを請け負っていた建設業許可を受けていない事業所に、工事の監督・施工・管理として在籍していた場合でも、経験期間として認めてもらえます。

 

  • ア 工事契約書 5年分
  • イ 注文書 + 通帳  5年分
  • ウ 請求書 + 通帳  5年分
  • オ 工事請書 + 通帳  5年分

 

上記の証明資料がいずれか1つ必要です。

現実問題としていちいち契約書を取り交わして工事を請負うことは少ないと思います。

そういう場合は

「注文書」や「請求書」や「工事請書」と共にひとつひとつ「通帳」の入出金を確認した上で、役所に対して説明していく必要があります。

また、5年間のすべての請負工事を資料として提出する必要はありません。

 

基本的にはひと月に1件の工事の証明ですが、請け負った工事の工期が数ヶ月に渡ってまたいでる場合はそのまたがった数カ月分を1件の工事の証明で済ますことが出来ます。

わかりやすく例えますと、4月から6月の3か月間の工事を証明するには、通常ひと月1件として合計3件の工事の証明が必要となります。

しかし、4月~6月の3か月間が工事の工期だった場合、4月、5月、6月を合わせて1件の工事の証明で済ませることが出来ます。

ですから1年の証明を3件~5件ほどで済ませることが出来る可能性があるので、過去の工事で証明するときは、なるべく工期が長い工事を探して証明するようにしましょう。

 

ここまで読んでくださった方お疲れ様でした。専任技術者になるためにはどういう要件があって、どういう資料が必要なのかお分かりいただけたかと思います。

次に建設業許可を取るためには必要不可欠な要件である「経営業務管理責任」の説明はコチラです(クリックして下さい)。

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