建設業の許可を取得する上で重要になってくるのは、

  • 経営業務管理責任者
  • 会社役員(取締役等)

がそれぞれ成年被後見人(後見開始の審判を受けている)ではないことです。

では、なぜ成年被後見人は上記のような役職に就任できないのでしょうか。

成年被後見人が欠格要件なのはなぜ?

 

国民の生命及び財産を守るためというのが、答えです。

成年後見制度は、成年被後見人が法的に正しい判断が出来ない(事理弁識能力を欠く)ですから、騙されてしまうことを防ぐ意味があります。

その他にも多額のお金が流動するこの社会では、契約の相手方が成年被後見人と知らずに契約してしまったら、契約がパーになってしまうどころか労力や信用も失います。

このように成年後見制度とは成年被後見人本人の財産や身上監護や尊厳を護るのは勿論のこと、契約で起こりうる交通事故を防止する役割を担っていると考えていいでしょう。

能力があると認められる経歴や資格を持っている人でも、認知症などで成年被後見人となってしまえば、経営業務管理責任者や会社役員(取締役等)として認められなくなってしまいます。

しかし、令和元年6月7日に参議院本会議で全会一致にて成年被後見人であるというだけで職を解かれる欠格要件が原則として廃止される成年後見制度適正化法が可決されました。

認知症や障害を持つ人が成年後見制度を利用した場合、弁護士や公務員、自衛官などの資格や地位が自動的に失われる「欠格条項」を原則として廃止する成年後見制度適正化法が7日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。
 成年後見制度では、判断力が十分でない人に代わり、後見人が財産管理などを行う。従来は被後見人になると、持っている資格が一律に失われる仕組みとなっており、新たに取得することも制限されていた。こうした一律の欠格条項を廃止することで、成年後見人制度を利用する人の人権を尊重する環境を整える目的がある。
 新たな法律では、心身の故障についてそれぞれの法律に基づいて個別に審査し、各制度ごとに必要な能力の有無を判断する「個別審査規定」へと改める。

 時事通信より引用

注意点

今回の参議院本会議での可決は原則として欠格要件から成年被後見人を除くということです。

今まで様々な法律がある中で欠格要件という項目があれば、そこには必ずと言っていいほど「成年被後見人」という存在が明記されていました。

どんな法律も、右向け右で「成年被後見人」を欠格要件とすることを改めようとした法律が成立したに過ぎませんから、実際に経営業務管理責任者が成年被後見人であっても就任できるようになるとは限りません。

あくまで、それぞれの法律に基づいて個別に審査し、各制度ごとに必要な能力の有無を判断する「個別審査規定」に変更したに過ぎませんからこれからの建設業法の改正を見守っていく必要があります。

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