建設業許可を取得するには29業種の中から選ばなければなりません。

よくあることは、ご自身が取り組んでいきたい工事の内容と建設業許可申請の業種の選択が間違っていたことが挙げられます。

そこでこのページでは29業種とはどのようなものなのかを例示しつつ解説していきます。

ここまで詳しく説明しているサイトはないと自負しております。

目次などもご活用下さい。

 

Contents

土木一式工事

土木一式工事とは総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。)ものです。

つまり土木系の飼う業種を総合的に組み合わせ、ひとつの工作物を建設する工事です。

注意して頂きたいのが「一式」という言葉が入っているからといって、「土木一式工事」の建設業許可を取得すれば、他の業種の工事もできるわけではないということです。

土木一式工事の具体例

  • 橋梁
  • ダム
  • 空港
  • トンネル
  • 高速道路
  • 鉄道軌道(元請)
  • 区画整理
  • 道路
  • 団地等造成(個人住宅の造成は含みません)
  • 公道下の下水道(上水道は含みません)
  • 農業・灌漑水道工事

 

※「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当します。

※上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方は、公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』であり、家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』です。なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当します。

 

建築一式工事

建築一式工事とは総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事をいいます。

注意して頂きたいのが「一式」という言葉が入っているからといって、「建築一式工事」の建設業許可を取得すれば、他の業種の工事もできるわけではないということです。

建築一式工事の具体例

  • 建築確認が必要となる工事
  • 仮設建築物で建築主事の仮設建築物の許可をとっているもの
  • 複合的な大規模改修
  • 大規模な耐震補強
  • タワー式駐車場、建物型駐車場

※ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。

※逆に言えば建築確認が必要ないものについての工事は他の業種に該当する可能性が極めて高いので、注意が必要です。

 

土木工事

土木工事業とは木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事をいいます。

建築系の専門業種で、木材の加工取り付けによる工事(木工事)全般を指します。

大工工事の具体例

  • 大工工事
  • 木工事
  • 型枠工事(木製の枠)
  • 造作工事

左官工事

左官工事は工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事をいいます。

左官工事の具体例

  • 左官工事
  • モルタル工事
  • モルタル防水工事 ※防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業のどちらでも扱うことが出来ます。
  • 吹付け工事
  • とぎ出し工事
  • 洗い出し工事

※ラス張り、乾式壁工は左官工事を行う上での準備作業として当然に認められています。

※アスベスト封じ込め工事(吹付け)は左官及び塗装で行うことが出来ます。

とび・土工・コンクリート工事

とび・土工・コンクリート工事は建築工事・土木工事の基礎的な工事にあたり、この工事をもとに別の工事が加えて行われることがほとんどです。

多岐にわたるためA~Eに分けて解説致します。

具体例も説明したA~Eに対応した形で載せていますので、御覧ください。

 

  1. 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
  2. くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
  3. 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
  4. コンクリートにより工作物を築造する工事
  5. その他基礎的ないしは準備的工事

 

とび・土工・コンクリート工事の具体例

  1. とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事
  2. くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
  3. 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事、電柱地中化工事、川底の補強、圧縮(「しゅんせつ」より小規模)、個人住宅等造成工事
  4. コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事、コンクリート壁穴あけ
  5. 地すべり防止工事、地盤改良工事(薬液注入、ウェルポイント)、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事(「鋼構造物工事」における「屋外広告工事」以外のもの)、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事、カッター(切断工)、アスベスト除去、ゴルフ場の防球ネット張り、フェンス設置、ガードレール、交通標識設置

※機械器具の設置は重量物設置工事を指し、既製品をボルト・アンカー止めするだけです。

※コンクリートブロックの据付は土木系、根固め、消滅ブロック、テトラポット等がこれにあたります。

※鉄骨組立工事は既製品の現場組立だけです。

※吹付け工事は土木系で法面処理にモルタル吹付け。種子吹付を指します。

※防水工事は土木系でトンネル防水等を指します

※ユニットバス・システムキッチンの据付は、配管を伴うものであれば管工事にあたります。

※雨樋(あまどい)設置工事は金属製なら板金工事にもあたります。

石工事

石工事とは石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事をいいます。

建築工事・土木工事の両方の性格を持っているので、「とび・土工・コンクリート工事」や「タイル・れんが・ブロック工事」との区別に注意が必要です。

石工事の具体例

  • 石積み(張り)工事 ※建築系であり内装外装としての凝石(自然石に似た人造石であり、装飾用に貼ったり敷いたりするもの。)がこれにあたります。
  • コンクリートブロック積み(張り)工事 ※土木系であり、法面・擁壁処理などがこれにあたります。
  • 墓石工事 ※全体工事を指しており、基礎部分のみは「とび・土工・コンクリート工事」にあたります。

※ 『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」並びに『石工事』及び『タイル・れんが・ブロツク工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は複雑です。

根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」です。

建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」です。

コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が『タイル・れんが・ブロツク工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり、エクステリア工事としてこれを行う場合を含みます。

屋根工事

屋根工事とは瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事をいいます。

建築工事系の専門業種であり、板金・石綿ストレート等による屋根工事や同様の素材を用いる工事でも屋根以外の外壁等の場合は、別の業種に分類されます。

屋根工事の具体例

  • 瓦ふき屋根工事
  • 板金ふき屋根工事
  • 石綿ストレートふき屋根工事
  • 屋根一体型の太陽光パネルの設置工事
  • 屋根断熱工事 ※断熱処理を施した材料により屋根をふく工事

※「瓦」、「スレート」及び「金属薄板」については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず、また、これら以外の材料による屋根ふき工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」と表すことが多いです。したがって板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当します。

※屋根断熱工事は、断熱処理を施した材料により屋根をふく工事であり「屋根ふき工事」の一類型です。
屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当します。

※太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光発電パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事が含まれます。

電気工事

電気工事とは発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事です。

設備系専門業種の代表的存在で、申請が多い業種です。

また、電気工事法により一定の電気工事については電気工事士(内容により1種又は2種)の資格が無いと従事することが出来ません。

建築業の許可を受けることとは別に電気工事業を営もうとするものは、電気工事業者の登録をする必要があります。

電気工事の具体例

  • 発電設備工事
  • 送配電線工事
  • 引込線工事
  • 変電設備工事
  • 構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事
  • 照明設備工事
  • 電車線工事
  • 信号設備工事
  • ネオン装置工事
  • 太陽光発電設備の設置工事 ※屋根工事に当たる部分を除く
  • コンセント増設工事

※ハイブリットガス化発電システムは電気及び機械で対応できます。

※メガソーラーは電気及び土木で対応できます。

※太陽光採光システムは電気及び通信で対応できます。

管工事

管工事とは冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事をいいます

電気工事と並んで設備系専門業種の代表例であり、申請が多いです。

ビルの管理業者がダクト等のメンテナンスを建設工事と誤って提出することが多いので注意が必要です。

管工事の具体例

  • 冷暖房設備工事
  • 冷凍冷蔵設備工事
  • 空気調和設備工事
  • 給排水・給湯設備工事
  • 厨房設備工事
  • 衛生設備工事
  • 浄化槽工事
  • 水洗便所設備工事
  • ガス管配管工事
  • ダクト工事
  • 管内更生工事
  • 薬液の送配設備設置工事
  • 家屋等敷地内の配管
  • 上下水道の排水小管
  • 合併浄化槽(し尿処理)
  • ポンプ・換気等の機械設置
  • 衛生工事、透析装置の設置
  • 管内更生工事(取り外し、更生後取り付けるもの)
  • 事業用等のエアコン・ソーラーシステム工事(配管を伴うもの)

※「冷暖房設備工事」、「冷凍冷蔵設備工事」、「空気調和設備工事」には、冷媒の配管工事などフロン類の漏洩を防止する工事が含まれます。

※し尿処理に関する施設の建設工事における『管工事』、『水道施設工事』及び『清掃施設工事』間の区分の考え方は、規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む。)によりし尿を処理する施設の建設工事が『管工事』に該当し、公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が『水道施設工事』に該当し、公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事が『清掃施設工事』に該当します。

※『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当します。

※建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『管工事』に該当し、トンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事は『機械器具設置工事』に該当します。

上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方は、公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』であり、家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』です。なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当します。

公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』等に区分されます。

タイル・れんが・ブロツク工事

タイル・れんが・ブロツク工事はれんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事をいいます。

建築系の専門業種であり、コンクリートブロック工事については、とび・土工・コンクリート工事・石工事との区別に注意が必要です。

 

タイル・れんが・ブロツク工事の具体例

  • コンクリートブロック積み(張り)工事
  • レンガ積み(張り)工事
  • タイル張り工事
  • 築炉工事
  • スレート張り工事
  • サイディング工事

※「スレート張り工事」とは、スレートを外壁等にはる工事を内容としており、スレートにより屋根をふく工事は「屋根ふき工事」として『屋根工事』に該当します。

※「コンクリートブロック」には、プレキャストコンクリートパネル及びオートクレイブ養生をした軽量気ほうコンクリートパネルも含まれます。

※『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」並びに『石工事』及び『タイル・れんが・ブロツク工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方に注意しましょう

根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」です。

建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」です。

コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が『タイル・れんが・ブロツク工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり、エクステリア工事としてこれを行う場合を含みます。

鋼構造物工事

鋼構造物工事とは形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事をいいます。

鋼材の組み立て等により工作物を建設するため難易度が高いため、指定建設業種となっています。

 

鋼構造物工事の具体例

  • 鉄骨工事 ※制作・加工から組立までを一貫して請け負うもの
  • 橋梁工事
  • 鉄塔工事
  • 石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事
  • 屋外広告工事 ※制作・加工から組立までを一貫して請け負うもの
  • 閘門、水門等の門扉設置工事
  • 溶接工事 ※技術レベルの高いもの
  • 金属製避難はしご(固定式)

 

※鉄骨工事については、材料の鉄骨を制作・加工から組立までを一貫して請け負うものが鋼構造物工事にあたり、既製品を現場で組み立てるのがとび・土木・コンクリート工事となります。

※ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当します。

※『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」です。

鉄筋工事

鉄筋工事とは棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事です。

例示する工事に限定されます。鋼構造工事との区別に注意が必要です。

建設業の許可とは別に、鉄骨加工工場の登録制度があります。

例、東京都の場合

  • 東京都第一溶接協会 江東区大島3-1-11 03-3685-5448
  • 首都圏溶接協会東京 大田区蒲田4-21-6 03-3733-4971

鉄筋工事の具体例

  • 鉄筋加工組立て工事
  • 鉄筋継手工事 ※ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手等

※『鉄筋工事』は「鉄筋加工組立て工事」と「鉄筋継手工事」からなっており、「鉄筋加工組立て工事」は鉄筋の配筋と組立て、「鉄筋継手工事」は配筋された鉄筋を接合する工事です。鉄筋継手にはガス圧接継手、溶接継手、機械式継手等があります。

舗装工事

舗装工事とは道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事です。

舗装工事の具体例

  • アスファルト舗装工事
  • コンクリート舗装工事
  • インターロッキング・ブロック舗装工事
  • 路盤築造工事
  • カラー舗装工事
  • 人工芝張り工事(屋外)

 

舗装工事と併せて施工されることが多いガードレール設置工事については、工事の種類としては『舗装工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当します。
人工芝張付け工事については、地盤面をコンクリート等で舗装した上にはり付けるものは『舗装工事』に該当します。

しゅんせつ工事

しゅんせつ工事とは河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事です。

浚渫(しゅんせつ)とは水底の泥や岩石をさらいあげることを指し、さく井工事との区別に注意が必要です。

しゅんせつ工事の具体例

  • しゅんせつ ※河川、港湾等の水底をしゅんせつ

板金工事

板金工事とは金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事

板金工事は金属を加工・取り付けする点で鋼構造物工事・鉄筋工事及び建具工事と並んで建築物の専門工事にあたる。

従って、ガラス工事や建具工事との区別に注意が必要です。

板金工事の具体例

  • 板金加工取付け工事
  • 建築板金工事 ※外壁へのカラー鉄板貼付け工事、厨房の天井へのステンレスの板貼り付け工事
  • 庇工事 ※ガラス製は「ガラス工事」、木製は大工工事、屋根一体型は屋根工事、既製品はとび・土工・コンクリート工事に該当します。

※「瓦」、「スレート」及び「金属薄板」については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず、また、これら以外の材料による屋根ふき工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」となります。
したがって板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当します。

 

ガラス工事

ガラス工事とは工作物にガラスを加工して取付ける工事です。

ガラス工事の具体例

  • ガラス加工取付け工事
  • ガラスフィルム工事 ※今まで東京都は「内装仕上工事」として扱っていましたが、現在は飛散防止等機能を向上させるものは「ガラス工事」という見解になりました。

塗装工事

塗装工事とは塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事です。

建築工事・土木工事両方の性格を併せ持つ業種です。

建築工事系は建築物の塗装工事など、土木工事系は路面等のランニング、路面標示工事などがあてはまります。

塗装工事の具体例

  • 塗装工事
  • 溶射工事
  • ライニング工事
  • 布張り仕上工事
  • 鋼構造物塗装工事
  • 路面標示工事
  • ガラス面に紫外線防止等の塗装塗布

下地調整工事及びブラスト工事については、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものと考えられています。

防水工事

防水工事とはアスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事です。

防水工事は建築防水等の建築工事系とトンネル防水等の土木工事系の2つに分かれます。

建設業法上では学説上の区分と違って、トンネル防水等はとび・土工・コンクリート工事としていて、建築工事系のみを防水工事とされています。

 

防水工事の具体例

  • アスファルト防水工事
  • モルタル防水工事
  • シーリング工事
  • 塗膜防水工事
  • シート防水工事
  • 注入防水工事

 

※『防水工事』に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当します。

※防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能です。

内装仕上工事

内装仕上工事とは木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事です。

床・天井・たたみ・ふすまなど建築物の仕上げのほとんどが内装仕上工事であり、申請件数も多いです。

内装仕上工事の具体例

  • インテリア工事
  • 天井仕上工事
  • 壁張り工事
  • 内装間仕切り工事
  • 床仕上工事
  • たたみ工事
  • ふすま工事
  • 家具工事 ※家具の据付又は現場で加工・組み立てを行うもの
  • 防音工事
  • 原状復帰工事
  • カーテン取り付け
  • 黒板(掲示板)設置工事 ※以前は「大工工事」でしたが、材料の変化により内装仕上工事に該当するようになりました。

※建築一式工事にあたらない改修、改築などはほとんど内装仕上工事となります。

※イベントブースの設営は「内装仕上工事」ですが、イベント運営を同時に請け負っている場合建設業に含まれるかどうかは都道府県等にご確認下さい。

※耐震補強工事であっても、柱を壊さず耐震補強材の巻きつけのみは内装仕上工事となります。

※「家具工事」とは、建築物に家具を据付け又は家具の材料を現場にて加工若しくは組み立てて据付ける工事をいいます。

※「防音工事」とは、建築物における通常の防音工事であり、ホール等の構造的に音響効果を目的とするような工事は含まれません。

※「たたみ工事」とは、採寸、割付け、たたみの製造・加工から敷きこみまでを一貫して請け負う工事をいいます。

機械器具設置工事

機械器具設置工事とは機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事です。

組み立て等を必要とする機械器具の設置工事のみを指します。

つまり、他の建設業許可業種と重複する種類のものは原則としてその専門工事が優先されます。

機械器具設置工事の具体例

  • プラント設備工事
  • 運搬機器設置工事 ※エレベーター・エスカレーターなど
  • 内燃力発電設備工事 ※ガスタービンなど
  • 集塵機器設置工事
  • 給排気機器設置工事 ※トンネル・地下道用など
  • 揚排水機器設置工事 ※トンネル・地下道用など
  • ダム用仮設備工事
  • 遊技施設設置工事  ※メリーゴーランドなど
  • 舞台装置設置工事  ※せり上がり装置・舞台反転装置など
  • サイロ設置工事
  • 立体駐車設備工事  ※タワー状・機械式など
  • 映画館等の音響設備・スクリーン・映写機設置工事、大型プロジェクター
  • タワークレーン(マストクライミング) ※建設等で使用され、コンクリートの基礎上のベースにタワーを設置し、油圧シリンダ等で昇降させるものです。
  • ガントリークレーン ※港に荷降ろし・整理等に使うものでレールの設置をともなうもの
  • 台貫所 ※ごみ処理場等で車重量を測るもの
  • 工場の精米機・牧場の搾乳機 ※大規模なもの

 

※『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもありますが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当します。

※「運搬機器設置工事」には「昇降機設置工事」も含まれます。

※「給排気機器設置工事」とはトンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事であり、建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『機械器具設置工事』ではなく『管工事』に該当します。

※公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』等に区分すべきものです。

熱絶縁工事

熱絶縁工事とは工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事です。

 

熱絶縁工事の具体例

  • 冷暖房設備
  • 冷凍冷蔵設備
  • 動力設備又は燃料工業
  • 化学工業等の設備の熱絶縁工事
  • ウレタン吹付け断熱工事 ※住宅工事における断熱材など
  • 耐火被覆工事
  • 通信線の耐火被膜工事

電気通信工事

電気通信工事とは有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事です。

電気工事との違いに注意して下さい。

電気通信工事の具体例

  • 有線電気通信設備工事
  • 無線電気通信設備工事
  • データ通信設備工事
  • 情報処理設備工事
  • 情報収集設備工事
  • 情報表示設備工事
  • 情報制御設備工事
  • 放送機械設備工事
  • TV電波障害防除設備工事
  • 電話線の敷設
  • 防犯カメラ設置工事
  • 電子ドアの鍵設置工事 ※扉を含むと機械器具設置工事にあたります。
  • LAN工事
  • 空中線設備工事

 

※既に設置された電気通信設備の改修、修繕又は補修は『電気通信工事』に該当します。

なお、保守(電気通信施設の機能性能及び耐久性の確保を図るために実施する点検、整備及び修理をいう。)に関する役務の提供等の業務は、『電気通信工事』に該当しません

※『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもありますが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当します。

造園工事

造園工事とは整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事です。

主に公園や庭園の地盤の造作から樹木の直截までさまざまな業種を含み、噴水や遊戯施設等は通常他業種に分類されます。

都心部のヒートアイランド現象を緩和するため屋上などを緑化する工事や植生の復元工事などについては平成15年に追加されました。

造園工事の具体例

  • 植栽工事
  • 地被工事
  • 景石工事
  • 地ごしらえ工事
  • 公園設備工事 ※花壇・噴水・休憩所・遊戯施設・修景施設、便益施設
  • 広場工事
  • 園路工事
  • 水景工事
  • 屋上等緑化工事
  • 緑地育成工事 ※土壌改良や支柱の設置などを同時に行う植物を育成する工事

 

※「植栽工事」には、植生を復元する建設工事が含まれます。
※「広場工事」とは、修景広場、芝生広場、運動広場その他の広場を築造する工事であり、「園路工事」とは、公園内の遊歩道、緑道等を建設する工事です。
※「公園設備工事」には、花壇、噴水その他の修景施設、休憩所その他の休養施設、遊戯施設、便益施設等の建設工事が含まれます。
※「屋上等緑化工事」とは、建築物の屋上、壁面等を緑化する建設工事です。
※「緑地育成工事」とは、樹木、芝生、草花等の植物を育成する建設工事であり、土壌改良や支柱の設置等を伴って行う工事です。

さく井工事

さく井工事とはさく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事です。

さく井の読み方は「さくせい」です。

井戸や穴を掘る工事に付帯する工事も含みます。

さく井工事の具体例

  • さく井工事
  • 観測井工事
  • 還元井工事
  • 温泉掘削工事
  • 井戸築造工事
  • さく孔工事
  • 石油掘削工事
  • 天然ガス掘削工事
  • 揚水設備工事

建具工事

建具工事とは 工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事です。

木製か金属製の建具を取り付ける工事ですが、木製建具は内装仕上工事で金属製の建具は板金工事などと紛らわしいので注意が必要です。

建具工事の具体例

  • 金属製建具取付け工事
  • サッシ取付け工事 ※ガラス窓のみの取り付けは、ガラス工事に該当します。
  • 金属製カーテンウォール取付け工事
  • シャッター取付け工事
  • 自動ドアー取付け工事 ※機械器具設置工事ではないです。
  • 木製建具取付け工事
  • ふすま工事
  • カーテンのリースでのサッシ取付工事
  • 電気ロックの扉全体

水道施設工事

水道施設工事とは上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事です。

 

水道施設工事の具体例

  • 取水施設工事
  • 浄水施設工事
  • 配水施設工事
  • 下水処理設備工事

 

※上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方は、公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』であり、家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』です。

なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当します。

※し尿処理に関する施設の建設工事における『管工事』、『水道施設工事』及び『清掃施設工事』間の区分の考え方は、規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む。)によりし尿を処理する施設の建設工事が『管工事』に該当し、公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が『水道施設工事』に該当し、公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事が『清掃施設工事』に該当ます。

消防施設工事

消防施設工事とは火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事です。

消防施設工事は消防法の規制により一定の消防設備工事については消防設備士(内容により甲種・乙種)の資格が無いと従事できません。

消防施設工事の具体例

  • 屋内消火栓設置工事
  • スプリンクラー設置工事
  • 水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事
  • 屋外消火栓設置工事
  • 動力消防ポンプ設置工事
  • 火災報知設備工事
  • 漏電火災警報器設置工事
  • 非常警報設備工事
  • 金属製避難はしご ※非常時のみ使用する組み立て式のものです。
  • 救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事

 

※「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しません。

したがって、このような固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当します。

※『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当します。

清掃施設工事

清掃施設工事とはし尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事です。

ごみ・し尿の処理施設以外の施設地の造成、施設建物などは、ほかの業種にあたります。

清掃施設工事の具体例

  • ごみ処理施設工事
  • し尿処理施設工事 ※汲み取り収集によるものを指します。

 

※公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』等に区分すべきものです。

※し尿処理に関する施設の建設工事における『管工事』、『水道施設工事』及び『清掃施設工事』間の区分の考え方は、規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む。)によりし尿を処理する施設の建設工事が『管工事』に該当し、公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が『水道施設工事』に該当し、公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事が『清掃施設工事』に該当します。

解体工事

解体工事とは工作物の解体を行う工事です。

平成28年から新設した業種でもともととび・土工・コンクリート工事に属するものでした。

新たな建設業許可の業種が新設されたということで、建設業許可、経営業務管理責任者や専任技術者について経過措置が存在します。

解体工事の具体例

  • 工作物解体工事 ※土木一式工事で作られたものの解体(ダムや橋の解体)、建築一式工事で作られたものの解体(一戸建て住宅やマンションの解体)がこれにあたります。

 

※それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当します。

※総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ『土木一式工事』や『建築一式工事』に該当します。